[Steam] 「The Talos Principle 2」全クリ感想&レビュー

名作1人称視点3DパズルのThe Talos Principleの続編がついに発売されました。
まさか続編が出るとは思っていなかったので本当に嬉しく、予約購入して発売後すぐ遊び始めました。
全実績解除まで含め48Hほどでクリアしました。

本作のストーリーは前作のエンディング以降の話となっていて、チュートリアルが終わったあとのプロローグで前作ストーリーの重大なネタバレがあります。
そのため筆者としてはできれば前作からやった方が良いかと思います。

一方で、前作と比較すると本作のパズルは易しいです。
ストーリー進行に必要な通常パズルもそうですし、相当のひらめきが必要であった「★(星)」についてもかなり気づきやすくなっています。
更に、どうしても解けないときにパズルをパスするアイテムまで用意されていますので、よっぽどのことが無ければパズルが解けなくて詰まることは無いかと思います。
そのため、難易度的には今作→前作という流れも悪くはない気がします。

パズルの内容は基本的には前作と同じく、手順を考える系の問題です。
前作登場の「コネクター」や上に乗れる「六面体」の他にも、
・赤/青/緑のうち2色接続すると3色目の色のビームを出す「RGBコネクター
・接続したビームの色を反転する「インバーター
など、おおむね1エリアに1つ新しいギミックが登場し、バラエティ豊かなパズルが楽しめます。

相変わらず風景は相当に美しいです。高いところに立って遠くを見渡すだけでも楽しくなります。
そして本作は本当にマップがとてつもなく広いです。体感は前作の4倍以上?
ダッシュがもう少し速く走れると良かったんですが・・・
また、目印の無い林の中など、エリア内のわかりづらい場所に実績に関わる収集要素のアイテムが配置されていることがあります。
エリア毎に配置されている数もまちまちのため、見かけたらラッキーぐらいで考えてクリア後にガイド等を見て収集するぐらいの気持ちでいた方が楽だと思います。
踏み後や道の分岐など、何かありそうな箇所を探すのは良いと思いますが、エリアを塗りつぶすように全探索するのはあまりオススメしません。

今作はかなりストーリー重視の内容になっています。
前作がストーリー付きのパズルゲームだったとすると、今作はパズル要素のあるアドベンチャーゲームと言っても良いぐらい会話のボリュームがあります。
パズルが簡単になっていたりお助け要素が増えていたりするのも、最後まで話を読んで欲しいという開発側のメッセージだと受け取りました。

今作は「選択」というのが物語の根幹を成していると思います。
各キャラクターとの会話やストーリー進行の度に何等かの選択を迫られます。
登場するキャラクターはそれぞれ異なる哲学的スタンスを持っており、一貫して「あなたはどの意見に賛同しますか」ということを問われ続けます。

ただその選択はゲーム上必要なものだったと思います。
度重なる会話での選択、またストーリー上で語られる過去の出来事や主要キャラの考えに触れることによって、「私はどう考えるか」というのが固まってくるようになります。
後半の重要な分岐につながる場面の選択は相当悩みました。

このようなゲームの作りが最終盤で収束します。
最後のエリアに登場するパズル、そしてエンディング直前の展開は「ここまでのストーリーはこのためにあったんだ」と思えるものでした。

ストーリー上、様々な立場のキャラクターがそれぞれの哲学的スタンスで質問を投げかけてきます。
立場が違うだけで、どれも一理ある内容です。
一応、実績上のTrue Ending、本筋と想定されるシナリオは存在しますが、どの結末に至ってもある立場でのグッドエンディングと思えるものになっています。

正直、マップが広すぎて探索が辛いとか、選択をし続けることの大変さとかありましたが、最後の演出でそういった点は些末なものに思えました。

総括すると、本作は間違いなく名作です。
ただし前述のとおりで前作ほどパズルは難しくなく、またストーリーを読ませるために作られている作品なので、パズルアドベンチャーゲームだという頭で遊ぶのが良いと思います。

今作で新たに登場した各ギミックを用いた、より歯応えのあるパズルが楽しめるDLCがいつか出るといいなぁと思います。

筆者プレイ時間:47.6時間
価格:3400円