[Steam]ストーリーも面白い高難易度パズル「Bean and Nothingness」クリア感想&レビュー

2Dグリッドベースのパズルで、パズルのルールとしてはいくつかのギミックを使いながら操作キャラクターを特定のゴール地点に到達させるものとなっています。

本作の大きな特徴はタイトルにもなっている「」の活用です。
パズルには様々な特徴を持つモンスターが登場しますが、出現させるための豆の種類や個数が決まっており、同じマスに所定の種類・個数の豆を配置して魔法の杖を振ることで出現させることができます。
これにより出現させる位置やタイミング、また出現させるモンスターの種類が任意になっており、単なる倉庫番に留まらない自由度の高いパズルが構成されています。

ステージが進むとモンスターを豆に戻したり、豆の個数に干渉できるようなギミックが登場し、更に考えられるバリエーションが豊富になります。

本作のパズルは非常に良くできており、同じ解法の使い回しみたいなのがほとんどありません。
コンセプト的に似たような配置のステージもありますが同じ手法では解けないようにデザインされています。
そのためどのパズルでも新鮮な驚きがありました。

ストーリー要素がちゃんとあるのも嬉しい点です。
神殿に残された情報から、過去に住んでいた研究者たちがどういった研究をしていて、なぜ今は神殿から居なくなっているのか、今はどこに行ったのか、なぜパズルが存在するのか、そういったことがゲームの進行に伴って明らかになっていきます。
最初は部屋のほとんどがロックされているのですが、解いたパズルの個数により扉がアンロックされていき、そこに残されたメモから真相が明らかになっていくのでパズルを解くモチベーションが高まりました。

なお、ゲームに登場する文章は英語ですが日本語化パッチがあります。
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=2775856046

本作のパズルは高難度ですが、相当に練られており、「何を問われているのか」が明らかな問題が多くて解いていてストレスになる場面がほとんどありませんでした。
グリッチみたいなのはほぼ潰されている印象です。
筆者が解いた中では別解がある問題や明らかに想定してなさそうな手順で解けた問題は1つもありませんでした。
そのため、どの問題も真正面から解くことになります。
また、終盤のエリアを除き基本的には全問解かなくても先には進めるので、難しい問題は後回しにして他のエリアから解けるような自由さもあります。

60H近くプレイし、特に終盤の飛ばせない問題群のうち1つは本当に悩んで悩んで数日かかってやっと解きましたが解けたときの安堵感は格別でした。
このパズルを通じて脳のメモリ領域というか頭の中で盤面を操作する能力が上がった気がします。

体感難易度はこれまで遊んだパズルゲームの中でも一番高かったです。
ED到達まででBABA IS YOUやRecursedの全問クリアと同じかちょっと上ぐらいと感じました。
とにかくパズル自体の難易度が高いので万人にはオススメできないゲームですが、品質の高いパズルにどっぷり浸かれてストーリーも先が気になるものなので、パズルゲーム好きにはオススメの作品です。

筆者プレイ時間:61.8時間
価格:1220円

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