[ITG] フメンピック投稿譜面の解説と振り返り

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記事の目的

2020/6/13に大型譜面投稿イベント「フメンピック」が開催されました。
投稿した2譜面の解説と振り返りを記事の形で残したいと思います。

動画

投稿譜面① SX15 Altale


投稿譜面② DX13 H.S:Hadron Strike


選曲について

シングル枠はかなり悩みました。
過去のイベントで君をのせてSX15、となりのトトロSX14を投稿していたので、その流れで最初はハイテンションジブリから探していたのですが、いまひとつピンとくる曲が見つからず。
仮に曲を見つけて作ったとしても過去作以上の譜面にはならないだろうと思ったので別の切り口から探すことにしました。


次に考えたのが、イベント名にちなんで過去のオリンピック公式ソングから探すという案でした。
2012ロンドンオリンピックの「風が吹いている」(いきものがかり)なんかは、アウトロが長くてラスト発狂も入れやすくていいかなと思ったんですが(3:41~3:58辺り)、
譜面を作るために曲を探している気がしてきて(実際に譜面を作るために曲を探しているんで正しいんですが)、なんか違うなと思ってやめました。

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風が吹いているラストの想定配置

ここ最近は発狂BMS、それもStella難易度表でディレイ譜面を練習していたので、そういった曲の中から探すことにしました。
難易度表を眺めて、st7のAltaleが譜面構成がはっきりしていてイメージが湧きやすく、MVもあるということで決めました。


ダブル枠については、Stella難易度表からシングルを選んだのでダブルは発狂難易度表から選ぶことにしました。
そういえば★19 H.S:Hadron Strikeは構想としてはあったけどまだ作っていなかったなと思いだしたのでこれに決めました。

シングル:Altaleについて

作り始めてすぐ3拍子の曲であることに気づきました。
ちなみに小ネタを1つ共有すると、ArrowVortexって基本4拍子しか認識しないんですが、
#TIMESIGNATURES:0.000=3=4をsmファイルに直接記載すると3拍子で表示させることができます。
ただ内部的には4拍子でデータを保存しているのと、ArrowVortexで保存すると上述の#TIMESIGNATURESの行自体が消えるので、編集の度に毎回記載する必要があります。


また、ゆったりした曲調なのでBPMについて意識していなかったのですが、よく考えると基本BPM90=倍取りして180なので普通にディレイを48分滝にしてしまうと270の滝になって全く踏めないことに作り始めてから気づきました。
小節の頭のみ48分とすることでちょうどいい塩梅になり、アクセントも付いたので結果オーライでした。

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アクセントの48分


中盤のピロピロピロで3本軸のあんみつ型地団駄になるのは元譜面から自然に浮かんだ配置です。
速度的には48分地団駄なので、ここで72分(短ホールドなので正確には144分2拍)が必要になりました。
9の倍数の拍数はArrowVortexでは対応していないのでここはsmファイルに直接手で配置を書いて作成しています。
今回は1小節の中に48分と32分と144分が混じってしまったため、1小節で288行が必要になりました。
君をのせて、となりのトトロのラストの36分も同じ手法で作成しています。

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1つ1つ丁寧に手で置いた温かみのある配置


ちなみに、手置きした譜面をArrowVortexで開くと強制的に最大192分の分解能に丸められてしまいます。
そのため、一度手置きした譜面はその後ArrowVortexで直接編集することができなくなります。
(元譜面をコピーしておいて、手置き部分を貼りなおすなどの工夫が必要)
ただ、手置きして正確に9の倍数拍を置いてもOpenITG側で正確に描写できないようなので、36分程度であれば192分の分解能で近似してもそこまで差が出ないのではないかなと思います。

後半の入りは元譜面ではガチ押しになっています。
ここをガチ踏みにしてしまうと難しくなりすぎてしまい、かつ元譜面ではここは回復地帯のため、フットスイッチで表現しています。

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脱力ガチ押しみたいなイメージのフットスイッチ


ラストは長音をホールド、流れるようなピアノの音を残り3レーンで表現しています。
長音をホールドで表現するために、長いホールドはこの譜面ではここでしか使っていません。
ピアノの音は最初は高い音→低い音と下がる配置、終盤は低い音→高い音に上がる配置となるので、軸の位置を3列目から1列目に動かしていっています。
結果的に君をのせてやトトロで使ったような構造にはなっていますが、3曲の各々で表そうとしたものはそれぞれ違います。
(君をのせてはjubeatの[2]譜面の耐久っぽさを表現、トトロは長音とコーラスのロングトーンの2パートを表現)
ラストが他の2曲と違い72分→96分になっていないのもそのためです。

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流れるようなピアノの音を表現した配置


全体として、曲の特徴を十分に表現しつつ、かつ極端に難しすぎないやりごたえのある譜面に仕上げられたのではないかと思います。

ダブル:H.S:Hadron Strikeについて

構成としては前半とアウトロで2回滝を踏ませる形を当初からイメージしていました。
モリオンDX15のような2枚抜きやフットスイッチも入れることも考えたのですが、基本BPMが175とやや高めなことに加え、元譜面を考えると2枚抜きやフットスイッチを入れる理由が無いので、滝は普通のストリームにしました。


ストリームはシングルで置くような配置を踏まえて、全体的にやや向きの変化、足の上下動多めな譜面にしています。2回目のストリームはバックの音がピロピロしているので音程を意識して配置しています。
重心の移動回数は少な目ですが地団駄が少なく足が忙しく動くため、踏み方のスタイルによってはストリームの長さ・速さの割にきつく感じるかもしれません。

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音合わせ+シングルっぽい配置


中盤の12分の音が鳴っている箇所は最初は同時踏みにしていたのですがBPMが高いせいで思ったよりきつく、休憩地帯が休憩にならないので易しめの配置にしました。
また左から右に上がる16分滝の後の連続ホールドは意図的に左右の体重移動と足交差を多めにして解放感を表現しています。

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解放感を表現した連続ホールド地帯


全体として疾走感のある譜面に仕上がったと思います。

まとめ

今回の2譜面はWGCで踏んで自分でクリアできることを確認できないという制約の中で作りましたが、試行錯誤の中で家でのエアITGでも意外とやれることがわかり、最終的には自分で納得できる譜面に仕上げられたかなと思います。

今後も自分の作りたい譜面を作っていきたいと思います。