[ITG] DOUBLE PRETENDERS6の予想と振り返り


予想シートと結果


自選曲:Rechronize

今年のBOF:ETで発表された曲です。
DP3で選曲したREZIDUAL MiNDと同じ作者の曲で、試聴してすぐ今回の自選にすることを決めました。


譜面のこだわりポイント

譜面の全体的な流れはこれまでのDP1~5と同様です。
譜面のパターン、考え方については過去にブログ記事で触れたのでそちら(DP2DP3DP4)もどうぞ。

全体的な譜面の流れもかなり気持ち良く置けたのですが、歌詞合わせはこれまでのDPシリーズであまり使っていなかったと思うので解説します。
基本的な考え方としてはDP5で採用したMV合わせやそれ以前の元譜面合わせと同じ思想になります。

Rechronize
あとぅす feat.咲良ゆの

触れた傷跡悲しくて
繰り返す度にただ愛しくて
願い続けた明日はまだ来ない

特別な言葉をいつも胸に抱いて 
瞳閉じていた日々に別れ告げるから

忘れようとした気持ちと
向き合える今なら君と心重ねて
やがて繋がる景色に面影を映して

動き出せ二人の時 空回る世界よりも早く
願い続けた明日はもう来ないけど
迷わず光を選んで

伝わるよ君の気持ち 壊れゆく世界の片隅で
ねぇ 二人また巡り合うその時には 抱きしめて

目をそらさず見ていてね 降り注ぐ闇に負けないように
立ち止まっていた 居場所はもういらないよ
迷わず今歩き出せる

さぁ 時計は動き出した 空回る世界よりも早く
ねえ 二人また巡り合うその時には 抱きしめて

「向き合える今なら」

音合わせかつ歌詞合わせの対称な配置となっています。

この配置思いついたとき天才かと思った

「目をそらさず見ていてね」

目をそらさず見ていてほしいのでノーツを置いていません。
もう少し正確に言うと、仮にこの曲にMVがあればこのタイミングで1枚絵が表示されるはずで、その絵を見せる演出をしたいため、という理由です。

ノーツを置かないという配置

「さぁ 時計は動き出した」

本曲で一番重要なフレーズです。
“Rechronize”自体は造語(readmeより)ですが、re+chro+nizeなので「再び時を刻む状態にすること」と解釈しました。
歌詞の内容からも、この曲は止まっていた時を再び動かすことがテーマであり、このフレーズが本曲を最も象徴していると考えます。
曲調からも4回繰り返すサビのラストであり、直前にブレイクが入ることからもここを一番の盛り上がりにしていることが伺えます。
以上を踏まえ、振り子をモチーフとした動きを配置し、他のパートでは類似の形を置かないようにし、さらに短いロールでこのパートを表現しました。

振り子モチーフの動き+他パートで使用していないロールで特別感を強調

自選曲全体の振り返り

DP5の総評で下記のようなことを書きました。

DP企画は.5系も含めると今回で7回目となり、お互いの譜面傾向を十分に認知し、偽装の精度も上がってきた結果、配置うんぬんでなく「曲に対する譜面の構想がどちらの方がより本人らしいか」、というレベルまで来たのかな、と思います。
そういう意味ではDP5にしてついにDOUBLE PRETENDERSが始まったのだとも言えると思います。
個人的にもDP1~5でDPストリームの置き方は参加者に十分伝わったかなと思うので、今後はより音楽性重視で臨みたいと思います。

前回DP5では偽装者の方に票が集まってしまい、自分が考えて譜面で表現していることがちゃんと伝わっていないのではないか、いうことが反省点でした。
今回はその反省を踏まえ、伝わるような表現を選択したつもりです。強調したいパートをフリーズやロールで強調するのは露骨過ぎるかもと正直思ったのですが、まずは伝わりやすさを重視しようと考えて今回の譜面となりました。
また、これまでのDP企画の中でストリームの配置をどう考えているかについては十分浸透したと思いましたので、純粋に曲の解釈の度合い、DP企画が当初から目指している音楽性の違いでの勝負になればいいなと考えていました。

偽装者としてはtenenoさんと予想。
理由は単純でtenenoさん自身が偽装者をtenenoと記入している+本人予想を逆張りしていたためです。
「さぁ 時計は動き出した」の部分をちゃんと4-4-4-4配置にしていて素晴らしいです。

結果としてはtenenoさんで正解でした。

本人譜面に似せるコツ

ちなみにこれまでの記事でおそらく触れていない本人譜面の癖として、「小節頭の配置は4か8(右足始動の場合)で始まる可能性がかなり高い」というのがあります。
例外は直前に特徴的な配置を置いているか重心が中央にあって4か8から始めると不自然な場合と、小節頭に特徴的な配置を置きたい場合ぐらいです。
また、この癖から渡りのタイミングが自然に決まります。自然に移動していって4か8からスタートできるように移動を始めるわけです。なので渡りをスタートするタイミングが1P→2Pと2P→1Pで微妙に異なります。
渡りについても基本は上記ルールで、あとよく使うパターンで「滝終わりに2P→1Pに下がり階段で移動していって1Por中央で終わる」というのがあります。

今回はサビ終わり2回とも2P→1Pパターンを採用

考え方としてはキメの大階段配置のようなイメージです。
渡りの配置としては2個2個配置と理解されていることが多いのですが、最近は下記の8歩を基本パーツとして使うことが多いです。今回のRechronizeではほぼこのパターンになっています。

左図:1P→2P 右図:1P←2P

また、この基本パーツの前後は3434や5656とすることもありますが最近は散らすパターンの方が多いです。

これまでの記事で書いたことや上記の内容を踏まえて作るとかなり「らしく」なると思います。

偽装譜面:現実をカットアップしてみた (選曲者:slaimさん)

slaimさんはDP2で偽装したことがあり、特徴も掴めているのでそこまで苦にならず譜面を作ることができました。
以前から知っているBMSの曲なので聴きこむ必要が無かったのもあります。

slaimさんの譜面の特徴は急激な体重移動が少ない点、音程に合わせた配置、大階段(最近は多くない)、大休憩などです。
難易度を上げるための難解な捻りも置かないので、あまり凝らずに自分が見えるレベルの捻りを置きました。
(結果的には捻りの強度で本人譜面と差が出たようですが)
また、ミニマルな曲調なので繰り返し配置、左右対称形を意識して置いています。

DP1~5では偽装者として当てられないよう、自分の手癖を消すことにかなり注力していましたが、今回の譜面では手癖で置いた箇所はあまり手を加えていません。
例え偽装者として当てられたとしても、それはそれで自分の譜面の特徴が理解されているということがわかるので、それでも良いかなと思えたためです。
手癖というのは、例えば9~17小節目の渡りのタイミングなどです。(一応、DPsl10の片手乱打の再現という面もありますが)
また、全体としてあるノーツの次のノーツが1つ隣である確率が高い、開脚になる配置が少ないといった点です。

結果としてこれまでのDPシリーズよりも偽装者として当てられた割合は高かったので、譜面の特徴は理解されているということが改めてわかり良かったです。
流石に全員正解になるとは予想してませんでしたが・・・

作者予想

Macaronism. (選曲者:AKUDOさん)

予想:

まず滝の形から、DP5やULTRA MEGA AKUDO PARTYの本人譜面と見比べてDX14側の方が近いと思ったのでこちらを本人として選択。
最近の過去譜面の特徴としては、割と片側に寄りつつなぜか反対側にもちょろっと降ってくる(例えば1P側に寄ってるのに5が降ってくる)5パネ滝が挙げられます。
これに対してDX15の方はDP1のCLASICAL INSANITYぐらいまで滝の形が戻っているのと明らかな音外しがあるので流石に本人じゃないと想定しました。
偽装者はHISAさんと予想。あまり根拠は無いですがAKUDOフェスで一番高難度を書いていたのと、そのときの譜面(kana*kana DX16)の形と見比べてもまあ近いかな・・・?と感じました。

結果:

本人譜面はDX14で正解、偽装もHISAさんで正解
ここはあまり自信が無かったので当たっててよかったです。

GOLD feat. itori(選曲者:GOLDKINEさん)

予想:

過去のDPシリーズで一度も難易度1桁は出してきておらず、DH7を偽装側が出してくることは考えにくいということでこちらを本人して選択。
偽装者としては最初AKUDOさんを予想していたのですが、3連続で同じ人に当たることあるかな?と思っていたところに天の声が入ったので変更。
・#21のホールド+単ノーツのパターンが深山幽谷・吽のDX11(本人と予想してる側)と類似
・ボックス配置多めの滝(DP3のCATCH FIRE)など
からKITUNEさんと予想しました。正直こじつけです。

結果:

本人譜面はDH7で正解、偽装はQさんで不正解
結果を見てから考えると17小節目、19小節目にあるホールド+2枚抜きパターンは過去譜面にある形なんですよね・・・

VTuber死なない(選曲者:HISAさん)

予想:

本人当てに悩んだ曲その1。
DE14があまりにぶっ飛んだ譜面、これまでのセオリーにも反した譜面(これまでの譜面ではばらけた配置は一応交互に踏める形になっている)だったため、本人がこんなの置くわけないVS偽装が書いたにしてもやり過ぎ で全然わからなかったです。
最終的にはこれはポップンミュージックの譜面だと思うことにして、過去にクラシック4やシンフォニックメタルみたいな譜面を書いていたAKUDOさんを割り当てることにしました。

結果:

本人譜面は DE14で不正解、偽装もparaphさんで不正解
配信でクリア粘着してたのでこちらが本人譜面かもという予想はよぎったのですが信じきれなかったです。

幸福魔法(選曲者:HLWさん)

予想:

まずDX1が本人譜面じゃなさすぎるのでDH6を本人譜面として選択。
偽装ですが、過去にHLW譜面の偽装をやっておらず、かつHLW譜面を踏まない人だろうと推測。
paraph、teneno、slaim、HISA、AKUDO辺りが外れ、残った人から他の予想との兼ね合いでQさんを選択。

結果:

本人譜面はDH6で正解、偽装はAKUDOさんで不正解
DP3.5で一度偽装を経験していると思うんですが・・・

ピタゴラスイッチのビー玉転がす坂か何か?

深山幽谷・吽(選曲者:KITUNEさん)

予想:

本人当てに悩んだ曲その2。正直どちらを本人と予想することも可能だった思います。
ただ、DX14は前半にばらけた配置の捻りがあるのと、後半の滝の形が過去譜面と見比べるとあまり形が似ていなかったため、DX11側を本人として選択。
ばらけた配置の捻りを書く人は今回の参加者だとHLWさんしか居ないため、偽装者はHLWさんを選択。

結果:

本人譜面はDX14で不正解、偽装もslaimさんで不正解
これは当てるのは無理でした。tenenoさんの考察によると同時回りの配置に目を向ける必要があったようです。
また、slaimさんの偽装も見事でした。過去の偽装だと手癖で音程に合わせた配置があったのですが今回はほとんど無かったです。
一応、サビ直前の小階段(49小節目)とか63小節目の音取りとかありますがいちゃもんのレベルだと思います。
開幕~16小節目のリズム取りなども偽装側が置きそうもないと考えていたので参りました。

Flower Fortune Tellinx(Xignality Remix) (選曲者:paraphさん)

予想:

今回の予想がボロボロになった原因の1つ。
まず、予想期間の中盤までDX13が本人譜面だと信じ込んでいました。
予想が一段落して念のためちゃんと譜面を見てみるか、と確認するとスラッシュ配置を何回か使っていることに気づきました。
過去のブログ記事に中央スラッシュは置きません、という記述があります。
(後半の3-4. その他意識している配置にあります)

また、DP4以降は本人譜面としては雅致譜面を作り続けているわけで、そう考えるとDX16の雅致譜面の方が本人譜面と考えるのが自然です。
ちなみに、Gachi Extremeの譜面でも主旋律をホールドに割り当てる手法を取っているものがあります(罪の天使 DX19など)。
そういった発想からDX16の方を本人譜面としました。

DX13側を偽装だという目で見ると、DP3のglory daysリミの偽装譜面とそっくり(ホールドとロールの混在など)だったため、偽装者はGOLDKINEさんと予想。

結果:

本人譜面はDX13で不正解、偽装もKITUNEさんで不正解

なんで?

記事を書く中でparaphさんの記事を見返して気づいたんですが、置かないのは「中央スラッシュでの窮屈な配置 (左足始動247や346など) 」でした。
つまり257や356は普通に置くことになります。は?

そのため単に勘違いで予想を外したことになります。悲しい

クラッシュ万事休す(選曲者:Qさん)

予想:

QさんはDP3で偽装したことがあって、その際に譜面の特徴を抽出したので再掲します。

抽出した特徴は以下の通りです。
・思ったより最近の譜面では中央6枚にこだわっていない
・1Pから始まっていることもあるが最近は少ない
・音に合わせた2枚抜き
・ホールド拘束やホールド絡みの2枚抜き
・パーカッションや声ネタを地雷で表現
・体の向きの変更は多くない、同じ体の方向の渡りとか
・急激な体重移動をしない
・同時を置くときはほぼ片方は直前と同じ位置にする
・ボーカル曲は必ずボーカルの音を取る
・空白ができないように取る音を頻繁に変える
・音程が違う音を同じ足で取る
・捻った形で終わることはあまり無い

本人譜面はDX10と予想。上記特徴の「音程が違う音を同じ足で取る」に着目しました。
というのもDX10の開幕の地雷が2234と来るんですが、これが音程が違う音を同じレーンに配置することに合致しています。
あとは19小節目の足を回す配置とか、38小節目のホールド拘束+2枚抜きも予想の裏付けになりました。
偽装はslaimさんと予想。DX10に比べると音程にあった配置を多く使用していることから予想しました。

結果:

本人譜面は DX10で正解、偽装はGOLDKINEさんで不正解
本人譜面は当たって良かったです。
偽装の方は選択肢にも上がってこなかったのでここを当てるのは難しかったと思います。
GOLDKINEさんはDP5でHeathenism dogmaを偽装していただきましたが、かなりレベルの高い偽装を書いていました。
また、本人が書ける譜面の幅が広い分、手癖らしい手癖がほとんど偽装譜面には現れず、そのため偽装を見破るのが難しい印象があります。
(DP4以降一度も偽装を当てられていない)

ジャイアントロボ(選曲者:tenenoさん)

予想:

全般的にteneno感に溢れるMAN(DX1)側を本人と予想。slaimさんも指摘していましたが単なるMVの動きに合わせるのではなくジャイアントロボ視点での動きにしているところも本人らしいと思いました。
偽装側はparaphさんを選択。「呪詛吐きながら譜面作ってる」という発言や20分程度で譜面を仕上げているところから手癖が出ているだろうという目で見ると、paraphさんがいかにも置きそうな8分渡り、驚異の凡才(DP1偽装)と類似した形の24分滝、以前粘着していたHEYYEYAAEYAAAEYAEYAAのような32分などparaphさんが置いた説明のつくところから決めました。

・・・というところまでは良かったんですが、〆切3時間前に「GR現象=ジャイアントロボ現象」ではないかと気づき、これはもしかして偽装譜面が本人譜面を超えていて逆転している可能性があるのでは?と思いかなり悩みました。
確かにそういう目で見るとMAN(DX1)の40~41小節目でWUGってるんですよね・・・
譜面も改めて見直したのですが、どうしても逆になっているとは思えず、これはもう間違ってたら仕方ないと思い上記のまま提出しました。

結果:

本人譜面はULTRA(DB1)で不正解、偽装もHLWさんで不正解
いや~~~~~予想はできていたんですけど踏み込めなかったです。
tenenoさんを信じきれませんでした。
もう少し早く気づけていて、HLWさんが偽装していると踏み込めていれば他の予想の前提が変わってきたわけで、もう少し良い結果を出せていたかもしれません。

総評

自選曲のパートでも少し触れましたが、「自身の音楽性がもっと伝わるような表現をしよう」というのが今回DP6参加にあたってのテーマでした。
自選曲の譜面作成もそうですし、偽装においても偽装先の譜面に寄せつつ、自身の考える配置も残すことで両立を目指しました。
音楽性を伝えるという面においてはDP6は目的を達成できたかなと思います。

半面、予想の成績としては過去の回と比べてもかなり低くなりました。かなり時間をかけて予想しただけに残念な結果です。
予想の根拠としていた箇所があまり根拠にならず、逆に全然着目していなかった箇所が本人/偽装の決め手となるような箇所が多く、あまり芯を食った予想ができなかった印象です。

偽装者のレベルが上がり、DP5辺りから本人よりも本人らしい譜面が出てくるようになってきたので以前より予想が難しくなってきている感触があります。
むしろ偽装者の方が昔の譜面を見て寄せたりしていることから、新しい要素を入れている本人側よりも偽装側を選んでしまうケースもあったのかなと思います。

音楽性という面では、これまでのDPシリーズである程度参加者の特徴を掴めていると思っていたのですが、上記のようなケースを踏まえると新しめの譜面を確認するなどしてアップデートをかけていく必要があるのかなと思いました。

主催のparaphさん今回もお疲れ様でした&ありがとうございました。
paraphフェスも頑張ります。