[Steam] 不可能立体パズル「Monument Valley」プレイ感想

ペンローズの三角形のように、一部分だけ取り出して見ると問題無いが3次元上では成立しないような図形を不可能図形と言いますが、本作では視点を変えたり図形の一部を回したりしてそういった不可能図形の上を進んでいくようなパズルになっています。

パズルはかなり易しく、リラックスして遊べるような難易度のゲームです。
一応ストーリーらしきものもあります。

最初は錯視を利用したパズルで面白いと思ったのですが、結局は視点を変更するか一部を回転させるかぐらいのバリエーションしかないので退屈さも感じました。
ちょっとした頭の体操でリラックスしたい場合に遊ぶのが良さそうです。

筆者プレイ時間:1.7時間
価格:820円

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[Steam]「Bloodstained: Ritual of the Night」全クリ感想&レビュー

あの悪魔城シリーズを作ったIGA氏のメトロイドヴァニアで、現代ナイズドされた悪魔城の探索が楽しめます。
アクションについては他のメトロイドヴァニアだとよくあるローリング回避みたいなのが無いので、その辺りもキャッスルヴァニアだと思って遊ぶのが良いと思います。

探索は文句無く面白いです。広大なマップを心行くまで探索できます。
メトロイドヴァニアらしく、キーアイテムの取得やストーリー進行で行けるマップが増えます。
進行順にある程度のバリエーションがあり、本来はもっと後に行くマップに突入してちょっと背伸びして強いスキルや貴重なアイテムを先に取得する、みたいなこともできたりするので、そういう点でも探索の楽しみがあります。

悪魔城でおなじみの動きももちろん完備

敵を倒すと「シャード」というアイテムを落とすことがあり、入手するとその敵に関する固有スキルを自分のものとして使うことができます。
ゲームに登場するシャードは100種類以上あり、ものによっては序盤に登場するシャードでも終盤まで有用だったりするので侮れません。
筆者は最序盤で入手できる鉄球を振り回すシャードが便利だったのでゲーム後半の方まで使っていました。

アイテムも多種多様なものが登場しますが、登場する素材を使ったアイテムの錬成や料理といったクラフト要素も面白いです。

現代のゲームとしては辛めの仕様と感じる点として、
・ドロップ率が非常に低い(1%)素材を複数要求する料理がある
・必要な素材を落とす敵がわからない
・シャードやお金稼ぎで単調な周回作業が必要
といったものが確かにあるにはあるのですが、それらを差し引いても面白い作品でした。

エンディングはまさに求めていた通りのものが見れてめちゃめちゃ良かったです。
オススメです。

筆者プレイ時間:30.8時間
価格:5480円

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[Steam] 砂の世界を探訪する旅「Sable」プレイ感想&レビュー

砂漠を移住する部族の一員である主人公が、大人になるための通過儀礼としてホバーバイクに乗って世界を旅し、自分の進むべき道を選ぶという内容の作品です。

戦闘要素はなく、純粋に各地を巡る探索ゲームとなっています。
グラフィックや操作に多少癖がありますが、慣れれば気にならなくなります。

最初は小さな村の周りしか探索できないのですが、旅立って村を出たその時から行動範囲が一気に広がります。
最初は地図すら無いので、この世界には何があるのだろうというワクワクした気持ちを持って世界を巡ることができます。

一応の指針はあるものの、どこのエリアから行かないといけないみたいなものは特に無いので、気の向くままに旅をすることができます。
そういう意味ではオープンワールドと言って良いと思います。

本作は、「自分の進むべき道を選ぶ」という明確なゴールがあります。
スタートとゴールの間に何をするかはプレイヤーに委ねられていますが、このゴールだけは動かせません。元々この旅は自分の進むべき道を選ぶために、世界にはどんなものがあるかを見に行くものでした。

進むべき道を選ぶということは、それ以外の選択肢を捨てるということです。

砂漠の部族に戻る道を選べば、これまで家族同然に過ごしてきた仲間たちとまた一緒に暮らすことができますが、部族を守る責任が生じ、世界を自由に旅するようなことはもうできません。

旅の途中でどのような交流をしたかによって選べる選択肢は増えても、どれか1つを選ばないといけないことには変わりません。

筆者も、ゲーム中に用意されたクエストを全てクリアし、残るは元の村に帰るだけ、という状態になってもなかなか帰る気になりませんでした。もっと世界を飛び回っていたいというのが正直なところでした。

しかし結局は村に戻り、最後には進むべき道を選びました。
どの道を選んでも、選ばなかった道を選んでいたら・・・という少しの後悔が残るような結末でした。
これで良いんだ、この道でこれから生きていくんだということを自分に言い聞かせてゲームを終えた余韻は他で得難いものでした。

素晴らしいゲームだったと思います。
探索好きのプレイヤー、ゲーム体験を求めるプレイヤーにオススメです。

筆者プレイ時間:28時間
価格:2800円

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[Steam]シンプル見た目のメトロイドヴァニア「Ato」プレイ感想

犬侍を操作して進むメトロイドヴァニア系の2Dアクションです。
最初はシンプルすぎる見た目と操作で不安になりますが、次第にやれることが増えて面白くなってきます。

基本的に会話などはなく進みますが、ストーリーとしてはかつて仕えていた勢力に子供が連れ去られてしまい、子供を救うために行く手を阻む刺客達を倒して敵の本拠地に向かう、といった内容になっています。

スキルを取っていけば移動も戦闘もサクサクのスタイリッシュなアクションになります。
ボス戦もメトロイドヴァニアらしく、あまりごり押しは効きませんが、相手の行動パターンを見切れるようになればあまりダメージを受けず倒せるようなバランスになっています。
ラスボス戦も同様ですが行動パターンが多く、かつ入力猶予が短いのでかなり歯応えがありました。

プレイ時間こそ10Hほどでしたが、探索も戦闘もメトロイドヴァニアの面白い所がギュッと濃縮された良作でした。オススメです。

筆者プレイ時間:9.9時間
価格:1520円

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[Steam]ゆかいな村民とピザを作ろう「Pineapple on pizza」プレイ感想

ゲームを始めると、特にチュートリアルなどは無く南の島を歩き回れるようになります。
島を探索して、島民のゆかいな暮らしを見て回ったり、海岸を走り回って島がどんな形をしているか想像するのも良いでしょう。
島民との写真を撮って回るのも思い出作りになっていいですね。

島の真ん中には火山があります。
特にやることが無くなったら火口に飛び込んでみるのも良いでしょう。
本作は無料のコメディ作品であり、息抜きにサクっとプレイするのがオススメです。

筆者プレイ時間:0.3時間
価格:無料!

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[Steam]ストーリーも面白い高難易度パズル「Bean and Nothingness」クリア感想&レビュー

2Dグリッドベースのパズルで、パズルのルールとしてはいくつかのギミックを使いながら操作キャラクターを特定のゴール地点に到達させるものとなっています。

本作の大きな特徴はタイトルにもなっている「」の活用です。
パズルには様々な特徴を持つモンスターが登場しますが、出現させるための豆の種類や個数が決まっており、同じマスに所定の種類・個数の豆を配置して魔法の杖を振ることで出現させることができます。
これにより出現させる位置やタイミング、また出現させるモンスターの種類が任意になっており、単なる倉庫番に留まらない自由度の高いパズルが構成されています。

ステージが進むとモンスターを豆に戻したり、豆の個数に干渉できるようなギミックが登場し、更に考えられるバリエーションが豊富になります。

本作のパズルは非常に良くできており、同じ解法の使い回しみたいなのがほとんどありません。
コンセプト的に似たような配置のステージもありますが同じ手法では解けないようにデザインされています。
そのためどのパズルでも新鮮な驚きがありました。

ストーリー要素がちゃんとあるのも嬉しい点です。
神殿に残された情報から、過去に住んでいた研究者たちがどういった研究をしていて、なぜ今は神殿から居なくなっているのか、今はどこに行ったのか、なぜパズルが存在するのか、そういったことがゲームの進行に伴って明らかになっていきます。
最初は部屋のほとんどがロックされているのですが、解いたパズルの個数により扉がアンロックされていき、そこに残されたメモから真相が明らかになっていくのでパズルを解くモチベーションが高まりました。

なお、ゲームに登場する文章は英語ですが日本語化パッチがあります。
https://steamcommunity.com/sharedfiles/filedetails/?id=2775856046

本作のパズルは高難度ですが、相当に練られており、「何を問われているのか」が明らかな問題が多くて解いていてストレスになる場面がほとんどありませんでした。
グリッチみたいなのはほぼ潰されている印象です。
筆者が解いた中では別解がある問題や明らかに想定してなさそうな手順で解けた問題は1つもありませんでした。
そのため、どの問題も真正面から解くことになります。
また、終盤のエリアを除き基本的には全問解かなくても先には進めるので、難しい問題は後回しにして他のエリアから解けるような自由さもあります。

60H近くプレイし、特に終盤の飛ばせない問題群のうち1つは本当に悩んで悩んで数日かかってやっと解きましたが解けたときの安堵感は格別でした。
このパズルを通じて脳のメモリ領域というか頭の中で盤面を操作する能力が上がった気がします。

体感難易度はこれまで遊んだパズルゲームの中でも一番高かったです。
ED到達まででBABA IS YOUやRecursedの全問クリアと同じかちょっと上ぐらいと感じました。
とにかくパズル自体の難易度が高いので万人にはオススメできないゲームですが、品質の高いパズルにどっぷり浸かれてストーリーも先が気になるものなので、パズルゲーム好きにはオススメの作品です。

筆者プレイ時間:61.8時間
価格:1220円

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[Steam]「TEVI」クリア感想&レビュー


Rabi-Ribiの開発元が作った新作メトロイドヴァニアで、体験版も面白かったことからリリースを心待ちにしていた作品でした。
リリース初日に購入して早速プレイしました。

Rabi-Ribiと同じく弾幕シューティング要素のある2Dアクションゲームで、ボスの苛烈な攻撃を避けつつ大コンボを叩き込む爽快感のあるアクションが大きな特徴です。

マップはかなり広めで、メトロイドヴァニアらしくアップデートを獲得する度に行動範囲が増えたり、取れなかったアイテムが取れるようになったりします。
ストーリー上必ずしも行かなくてもいいマップもあり、そういったマップも含めて何か面白いものがないか探す楽しみがあります。

探索で手に入るアイテムは各種ステータスUPの「ポーション」の他、多種多様な付加効果を持つ「シジル」があります。
装備できるシジルの数は限られるため、どのような組み合わせで効果を最大化するか考える楽しみがあります。

難易度に関しては、どれぐらい探索に力を入れるかによってかなり変わります。
というのは本作はレベルアップが戦闘による経験値ではなくマップ踏破率に依存しているようで、またステータス底上げに必要なポーションも探索しないと手に入らないためです。
メインストーリー優先で進めた場合とマップをくまなく探索した場合で最終ステータスは倍ぐらい差が付きます。
筆者はくまなく探索する派だったので難易度NORMALで戦闘は全く苦労しませんでした。

今作は有名声優を起用したフルボイスの作品となっています。
登場するキャラクターも多く、会話イベントも豊富に用意されています。

綿毛

ストーリーはしっかりとしていて、一言で言うと「重い」です。
人族と獣人族との対立であるとか、魔械族の反乱であるとか、「劣化」と呼ばれる伝染病のようなものの影響であるとか、そういった内容が序盤から語られます。
前半は割とコミカルに進むのですが、後半になるとストーリーのシリアスさが増してきます。
また、序盤で語られる内容が割と後半になって再登場したりするので、オープニングの内容やイベントの会話は後で見返せるようキャプチャしておくと良いかもしれません。

おまけ要素として、通常は行けないタイミングで特定のエリアに突入するとか、クリア後に開放されるモード限定のアクションを駆使して諸々の段階をすっ飛ばしてアップグレードを取るというのが実績として用意されており、シーケンスブレイクの余地も残されているのも印象的でした。

総評すると、今作は100点満点で評価するとかなり100点に近い作品だと思います。マップは広くて探索のしがいがあり、アクションは爽快でボスに大コンボを叩き込む楽しさもあり、重厚なストーリーでフルボイスで、総じて「ちゃんとした作り」だと思います。

ただ、個人的な好みとして好きなのはゲームではなく破壊なので、そういった破壊要素は少なかった気がします。
マップは広いもののサブイベントや寄り道要素みたいなものもはそこまで多くなかった印象で、また序盤こそどのマップから攻略するかという選択肢があったものの中盤以降はほぼ一本道です。

Talos2でも似たようなことを思いましたが、でもこれは贅沢な悩み、わがままかもしれません。
1週間ちょっとで50H超遊んで全クリ+全マップ踏破+アイテム全収集、周回系以外の実績をほぼ集めきるほどには十二分に楽しめました。

ストーリー終盤の展開にはちょっと思うところもあり、今後のDLC等でその辺りが補完されることを願っています。


筆者プレイ時間:52.4時間
価格:3980円

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