[Steam] 砂の世界を探訪する旅「Sable」プレイ感想&レビュー

砂漠を移住する部族の一員である主人公が、大人になるための通過儀礼としてホバーバイクに乗って世界を旅し、自分の進むべき道を選ぶという内容の作品です。

戦闘要素はなく、純粋に各地を巡る探索ゲームとなっています。
グラフィックや操作に多少癖がありますが、慣れれば気にならなくなります。

最初は小さな村の周りしか探索できないのですが、旅立って村を出たその時から行動範囲が一気に広がります。
最初は地図すら無いので、この世界には何があるのだろうというワクワクした気持ちを持って世界を巡ることができます。

一応の指針はあるものの、どこのエリアから行かないといけないみたいなものは特に無いので、気の向くままに旅をすることができます。
そういう意味ではオープンワールドと言って良いと思います。

本作は、「自分の進むべき道を選ぶ」という明確なゴールがあります。
スタートとゴールの間に何をするかはプレイヤーに委ねられていますが、このゴールだけは動かせません。元々この旅は自分の進むべき道を選ぶために、世界にはどんなものがあるかを見に行くものでした。

進むべき道を選ぶということは、それ以外の選択肢を捨てるということです。

砂漠の部族に戻る道を選べば、これまで家族同然に過ごしてきた仲間たちとまた一緒に暮らすことができますが、部族を守る責任が生じ、世界を自由に旅するようなことはもうできません。

旅の途中でどのような交流をしたかによって選べる選択肢は増えても、どれか1つを選ばないといけないことには変わりません。

筆者も、ゲーム中に用意されたクエストを全てクリアし、残るは元の村に帰るだけ、という状態になってもなかなか帰る気になりませんでした。もっと世界を飛び回っていたいというのが正直なところでした。

しかし結局は村に戻り、最後には進むべき道を選びました。
どの道を選んでも、選ばなかった道を選んでいたら・・・という少しの後悔が残るような結末でした。
これで良いんだ、この道でこれから生きていくんだということを自分に言い聞かせてゲームを終えた余韻は他で得難いものでした。

素晴らしいゲームだったと思います。
探索好きのプレイヤー、ゲーム体験を求めるプレイヤーにオススメです。

筆者プレイ時間:28時間
価格:2800円

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